さよなら1004・1006編成


 昭和32年、国鉄はある車両を開発しました。それが「モハ90系」です。昭和34年の称号改正以降は「101系」と呼ばれています。現在はJR線から引退してしまいましたが、唯一活躍している場所があります。それが秩父鉄道です。
 秩父鉄道では「1000系」として、1001編成〜1012編成が運行していました。どれも車齢40年を越える古豪達です。その中でも1006編成に属する「デハ1006」「デハ1106」は、昭和34年4月に近畿車輛で製造され、長期に渡って通勤客の足として働いてきました。
 そして平成21年3月、秩父鉄道に新型車両「7000系」が導入され、製造から丁度50年となった「デハ1006」「デハ1106」を含む1004・1006編成は廃車となりました。
 今回、1004・1006編成、特に製造50年を迎えた「デハ1006」「デハ1106」に対し感謝の気持ちを込めて写真展を開催することに致しました。1004編成、1006編成、本当にお疲れ様でした。

平成21年5月 「ターミナル・ステーション」管理人 あさしお12号


1004編成

・編成
↑三峰口
デハ1004(旧クモハ100-183)
デハ1104(旧モハ101-252)
クハ1204(旧クハ101-75)
↓羽生

・写真


うっすら雪の積もる長瀞駅で発車を待つ


上長瀞駅を発車すると、列車は熊谷駅へ向けてゆっくり下ってゆく


うっすら茶色掛かった車体側面が時の流れを感じさせる


武州中川駅を発車すると、勾配を駆け上る。
三峰口駅へ向けてのラストスパート


三峰口駅でC58-363と並ぶ1004編成。
実はこの2本、親子ほどの年齢も離れていない


夕陽を車体一杯に受けて関東平野を駆け抜ける


今、1004編成は広瀬川原車両基地の隅っこで眠っています


1006編成

・編成
↑三峰口
デハ1006(旧クモハ100-1013←クモハ100-53←モハ90616)
デハ1106(旧モハ101-1013←モハ101-50←モハ90109)
クハ1206(旧クハ101-65)
↓羽生

・写真


リバイバルカラー編成と並んで留置された


1日2本しかない寄居行き。この日は1006編成が充当された


開業間もないひろせ野鳥の森駅に停車する1006編成


まだ肌寒い季節、1006編成はあっという間に走り去った


桜の名所100選の1つ、熊谷桜堤に沿って線路が延びる


山へ向かう列車を、菜の花がそっと見送った


1006編成は、最期まで力強く走り続けた


武州中川駅を発車し、最後の急勾配を一気に駆け上る


妻面にひっそりと掲げられた古豪の証


結局最後まで中間車は非冷房のままだった


秩父鉄道入線に際し改造が行われた運転台。
ワンマン機器も搭載されたが、101系の面影は充分感じられる


車体側面には誇らしげに社紋を掲げる


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