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どうやって映像や音声を届けているのか

【映像や音声信号は変調して送信する】
 普段何気なく見ているテレビや、ラジオはどうやって家庭にその情報が届けられているのでしょうか?

 まず、テレビ局やラジオ局で情報の元になる映像や音声がカメラやマイクによって電気信号に変換されます。 この電気信号を電波の元になる高周波電流(搬送波)と組み合わせた(変調した)後に、各テレビ局やラジオ局に 割り当てられた周波数帯域(チャンネル番号で表します。)

 例えばNHK総合はチャンネル番号1、中心周波数93MHz、映像周波数91.25MHz、音声周波数95.75MHzです。) に変換します。最後にこの信号を増幅して放送局のアンテナから送信されます。送信された信号はアンテナ で受信されテレビやラジオに内蔵されている復調器で元の映像や音声の情報を取り出して再生します。

 なぜ、映像や音声の電気信号をそのまま送信しないのかというと、長い距離を無線で伝送するためには送信したい 情報量やその距離に適した周波数があるためです(「電波の種類」参照)。

 そのため、映像などの電気信号の周波数を別の伝送に適した周波数に変調して送信します。 一般的に変調は周波数の高い搬送波に周波数の低い情報信号を乗せることをいいます。 この変調の代表的な方法として振幅変調(Amplitude Modulation)、いわゆるAMと周波数変調(Frequency Modulation)、 いわゆるFMがあります。

【波の振幅を変化させるAM、周波数を変化させるFM】
 まずAMですが、ラジオ放送を例に説明すると、AMは531kHz~1602kHzの搬送波に音声信号を乗せることによって 搬送波の振幅を変化させる方法です(図1)

(図1)クリックしてご覧ください


 AMの搬送波は中波ですが、これはAMの音声信号の情報量が中波の周波数で送信できる量に適していることと、 広範囲に電波を届けることができることによります。一方でこの方法は搬送波の振幅を変化させることで元の 音声信号を表しているので、電気的な雑音により影響を受けやすく、このため、AMラジオは雑音が混じることがよくあります。 しかし、AMラジオの主な目的は言葉を伝えることにあるので、雑音には目をつぶって広範囲に電波を届かせることを優先しています。

 一方のFMですが、AMのように搬送波の振幅を変化させるのではなく、搬送波の周波数を音声信号の振幅に応じて変化させます(図2)。

(図2)クリックしてご覧ください


 音声信号の振幅が搬送波の周波数に反映されるので、AMのように雑音が入って振幅が乱れたとしても、 FMで作られた電波の振幅は一定であるために、余計な振幅はカットできます。このため、雑音の影響を受けないで済みます。

 また、FMの搬送波には76MHz~90MHzの超短波が使われます。超短波で乗せることのできる音の周波数帯域は50Hz~15000Hzで あるので、低い音から高い音まで幅広い周波数の音を表現できるため、FMは高音質の情報を送信することができるのです。

 ただ、FMでは超短波を搬送波に使っているので、AMに比べると受信範囲は狭くなります。 FMがきれいな音だと感じるもうひとつの理由はステレオ放送を行っていることです。ステレオ放送は左右のスピーカーから 別々の音声を得ることですが、このしくみはまず、左右のマイクで別々に音声信号を聞き取って、この左右の音声信号を 合成した主信号と左右の音声信号の差分を取り出した差信号をつくります。

 次に差信号は主信号と混ざらないように38kHzの副搬送波に乗せます。搬送波に主信号と副信号の乗った副搬送波、さらに受信側で復調するときに必要な19kHzの パイロット信号を加えて変調して送信します。

 ちなみに、テレビは映像をAMで、音声をFMで変調しています。