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トランジスタって何?

【トランジスタの増幅は薄いベースがかぎ】
 整流とならんで電子回路で重要なのが増幅です。トランジスタはこの増幅とスイッチングの機能をもつ半導体素子です。 その構造はp型半導体とn型半導体をn-p-n、p-n-pの順に交互に構成したものです。 n-p-nまたはp-n-pの半導体にはそれぞれ1つずつ電極がつけられており、エミッタ、ベース、コレクタという 名前がつけられています。真ん中にはさまれたp型半導体またはn型半導体は薄くなっています。(図1)

(図1)


 npn型でトランジスタの動作原理をみてみましょう。

 エミッタ(左側のn型半導体)とコレクタ(右側のn型半導体)の間でエミッタ側を-、コレクタ側を+として 電圧をかけます。すると、電子は電圧の低い方から高い方に流れる(電子の流れと電流の向きは逆)ので、 -極のエミッタ側の電子が+極のコレクタ側に引き寄せられます。

 このとき、ベース(真ん中のp型半導体)に電子が流れ込み、p型半導体であるベース内の正孔と電子が結合して 消滅しますが、薄いベース内の正孔は少量であるため、全ての正孔が電子と結合してしまうと、 ベース内のキャリアはなくなり、電子の流れが停止します。

 一方、コレクタ内の電子も+極に移動していきますが、+極の正孔と結合した時点で電子の流れが停止します。 この状態では電流は流れません。(図2)

(図2)


 この状態でさらにエミッタとベースの間にエミッタ側を-極、ベース側を+極として電圧をかけると、 ベースには新たに正孔が流入するため(ダイオードのPN接合と同じ原理)、エミッタに存在する電子が ベースに向かい移動します。

 移動した電子の一部はベース内の正孔と結合しますが、ベースは非常に薄い層であるため、 大部分の電子はコレクタに引き寄せられてベースを通過してしまいます。つまり、エミッタ - コレクタ間 に電圧をかけることでトランジスタ全体に電流が流れることになり(図3)、さらに図2の状態で帯電していた 電子や正孔がそれに伴って動くことでエミッタ - コレクタ間に流れる以上の電流がエミッタ-コレクタ間に 流れることになります。これがトランジスタの増幅作用です。

(図3)





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