【先物取引は少ない金額で大きな利益が得られる】
先物取引とは、「先物取引とは(リスク回避のしくみ)」で説明したように、 デリバティブの一種で価格が相場によって変動する商品などについて未来のある時点での価格で取引するように事前 に契約することをいい、未来の価格変動によるリスクを回避するためのものです。
一方、先物取引にはこれまでに述べたリスク回避の側面とは別に投機の側面があります。 投機目的で商品先物取引を行っている投資家にとっては小豆自体が必要なわけではなく、小豆の価格を左右 するような情報、例えばその年の天候の状態などから1年後の小豆の価格を予想して先物取引でリスク回避 の例で述べたようなしくみで利益を得ようとします。
例えば、「先物取引とは(リスク回避のしくみ)」で説明した小豆の例でいうと、 和菓子屋は先物市場でそのときの相場である1トン80万円で小豆を買います。 ここで80万円支払うのではなく、その一部として例えば5%にあたる16万円を証拠金として納めます。 つまり、14万円で80万円分の小豆の取引ができるわけです。
ここで、小豆が1トン120万円に値上がりしたとすると、和菓子屋は先物市場で1トン80万円で購入した 小豆を売却すれば120万円の収入となります。実際に代金のやりとりはないので、手にするのは差額の40万円 と返却される担保の証拠金14万円の合計54万円となります。
【損失があった場合は、追証が必要】
逆に、小豆が1トン60万円になっていたとすると、証拠金の16万円の50%にあたる8万円以上となる20万円の 損失が出ていることになります。このとき、引き続いて取引を続けるためには、追証(取引追証拠金)と 呼ばれる追加資金を証拠金に追加しなければならなくなります。
追証が発生する理由は、そもそも証拠金での取引は実際の価格で取引すると支払いができず、契約を履行 できなくなる場合の混乱を回避するための制度なので、損失が出た場合には追証を証拠金に追加して取引の 健全性を維持しなければならないことによります。
もし、証拠金が支払えないのであれば、取引を反対売買によって終了させます。この場合、損失額の20万円 が証拠金で預けた16万円から引かれ、不足分の4万円を追加で支払うことになります。
このように先物取引は少ない額の元手で、大きな金額の取引ができるため、得られる利益も損失も大きく なりやすく、ハイリスク・ハイリターンであるといえます。
また、先物取引には小豆などの穀物やプラチナなどの貴金属のような商品を扱う商品先物以外にも国債を 扱う国債先物や金融商品の金利を扱う金融先物などもあります。