完訳 水滸伝

吉川幸次郎・清水茂 訳
岩波文庫(全10巻)


 水滸伝というのは有名な小説ですが、以前読んだのは吉川英治さんの『新・水滸伝』でした。でも、この作品は途中で終わっていて、物足りなさをのこしていました。しかし、岩波文庫から訳したものがあるということを人から聞きまして、やっと全体を読むことができました。
 はしがきによりますと、「水滸伝」には120回本、100回本、70回本などがあるそうですが、本書はそのうちの100回本を訳したものです。

 清水さんが最後の解説にボブズボーム『匪賊の社会史』という本にある興味深いことを紹介されています。
 『水滸伝』の豪傑がロビンフッドをはじめとする貴族強盗のイメージと一致するということです。そのイメージを集約すると9点であるといいます。

  1. 貴族強盗が無法者としての経歴を開始するのは、犯罪を犯したことによってではなく、不正の犠牲者としてである。
    (林冲は正しくそれであり、魯智深・武松や宋江もそのうちに入ろう)
  2. 彼は「不正を匡す」
    (梁山泊の旗印は「天に替って道を行う」である)
  3. 彼は富める者から取って貧しい者に与える。
    (晁蓋・呉用らが、梁中書から蔡太閤へ送る誕生祝いの荷を奪うのは、富める者から奪うもので、梁山泊を去るときには、住民に相場の十分の一で自分たちの財産を売却しているのは貧しい者に与える一つである)
  4. 彼は「自己防衛か正統な復讐の場合以外、殺さない」
    (林冲が陸副官を殺し、宋江が閻婆惜を殺すのは自己防衛であり、武松が西門慶を殺すのは兄武大を殺されたことに対する正当な復讐である。ただし、それ以外は殺さないとまではちょっといいかねる。李逵のように、殺人を快楽視しているものもある。)
  5. もし生き残れば、名誉ある市民および部落のメンバーとして民衆の元へ戻る。
    (巻の九十九、巻の一百の梁山泊の豪傑たちの結末を見れば、すくなからぬ生存者が良民となっている)
  6. 彼は民衆によって称賛され、援助され、支持される。
    (住民が支持していることは、ときどき見える)
  7. 彼は例外なしに死ぬ、それも裏切りのために。
    (宋江、廬俊義の死は奸臣の陰謀であった)
  8. 彼らは――少なくとも理論の上では――眼にみえず不死身である。
    (眼にみえずとは言えないが、征遼物語では戦死者を出さなかった)
  9. 彼は正義の源である王や皇帝の敵ではない。ただ地方の地主・僧侶・その他の抑圧者の敵であるだけなのだ。
    (だから徽宗皇帝には忠義を尽くし、「徽宗帝、夢に梁山泊に遊ぶ」でしめくくられるのである)
ボブズボームは、イワン・オルブラハトの次のことばで結ぶ。
『水滸伝』も、人の心の奥にある正義の願望を英雄譚にしたもので、さればこそ「忠義」が冠せられるのである。

忠義水滸伝 第一冊
宋江、林冲、公孫勝ら百八人の豪傑たちが、湖水の中の要塞「梁山泊」に拠って驚天動地の活躍を演じる武勇譚。しかし、後半は一転して悲壮な英雄悲劇に――。人々に愛好され読み継がれた『三国志演義』『西遊記』『金瓶梅』とならぶ中国四大奇書の一。
巻の一 張天師 祈りて瘟疫<(おんえき)><(はら)>
洪大尉 誤って妖魔を<()>がす
巻の二 王教頭 私かに延安府に<(のが)>
九紋竜 大いに史家村を<(さわ)>がす
巻の三 史大郎 夜わに華陰県を<(のが)>
魯堤轄 拳もて鎮関西<(ちんかんさい)>を打つ
巻の四 趙員外 重ねて文殊閙<(もんじゅいん)>を修め
魯智深 大いに五台山を<(さわ)>がす
巻の五 小覇王 酔って銷金<(しょうきn)><(ちょう)>に入り
花和尚 大いに桃花村を<(さわ)>がす
巻の六 九紋竜 赤松林に剪径<(おいはぎ)>
魯智深 火もて瓦罐瓦罐寺<(がかんじ)>を焼く
巻の七 花和尚 <(さかし)>まに垂楊柳<(すいようりゅう)>を抜き
豹子頭<(ひょうしとう)> 誤って白虎堂に入る
巻の八 林教頭 <(いれずみ)>して滄州道に<(なが)>され
魯智深 大いに野猪林<(やちょりん)><(さわ)>がす
巻の九 柴進<(さいしん)> 門には招く天下の客
林冲<(りんちゅう)> 棒もて打つ洪教頭
巻の十 林教頭 風雪の山神廟<(さんしんびょう)>
陸虞侯 火もて草料場<(そうりょうじょう)>を焼く
巻の十一 朱貴 水亭に<(あいず)><()><(はな)>
林冲 雪の夜に梁山<(りょうざん)>に上る

忠義水滸伝 第二冊
蔡太閤の誕生祝いの金銀珠玉を奪ったことがばれ、腕利きの警吏が人数を引き連れてやってきた。幸い、その対応をした地方官が宋江。危険を知らされた晁蓋・呉用・公孫勝らは難を避け、追っ手の官軍を思うままに翻弄しつつ梁山泊に向かう。
巻の十二 梁山泊に林冲落草<(らくそう)>
汴京<(べんけい)>城に楊志刀を売る
巻の十三 急先鋒 東郭<(とうかく)>に功を争い
青面獣 北京<(ほっけい)>に武を戦わす
巻の十四 赤髪鬼 酔って霊官殿<(れいかんでん)>に臥し
晁天王 <(ちぎり)>を東渓村に<(むす)>
巻の十五 呉学究 三<(げん)>に説いて<(かず)><()>らしめ
公孫勝 七星に応じて義に<(あつ)>まる
巻の十六 楊志 金銀の<()>を押送し
呉用 智もて生辰<(せいしん)><()>を取る
巻の十七 花和尚 <(ひと)>りにて二竜山を打ち
青面獣 <(ふた)>りして宝珠寺を奪う
巻の十八 美髯公<(びぜんこう)> 智もて挿翅虎<(そうしこ)><(なだ)>
宋公明 <(ひそ)>かに晁天王を放つ
巻の十九 林冲 水寨水寨<(すいさい)>にて大いに<(どうし)><()>
晁蓋<(ちょうがい)> 梁山にて<(すこ)>しく<(いりえ)>を奪う
巻の二十 梁山泊に義士は晁蓋を<(あるじ)>とし
鄆城<(うんじょう)>県に月の夜に劉唐を走らす
巻の二十一 虔婆<(おにばば)> 酔って唐牛児を打ち
宋江 怒って閻婆惜<(えんばしゃく)>を殺す
巻の二十二 閻婆 大いに鄆城<(うんじょう)>県を<(さわ)>がせ
朱仝<(しゅどう)> 義によりて宋公明を<(ゆる)>

忠義水滸伝 第三冊
弟の武松は身の丈八尺の堂々たる偉丈夫。強い酒をたらふく飲んで景陽岡に向い、名うての人食い虎を素手でやっつけて評判に。兄の武大は五尺に満たず、気が弱くて真面目一方。ところが兄嫁は海千山千の美女。さてさて、どうなることやら。
巻の二十三 横海郡に柴進は<(まろうど)>を留め
景陽岡<(けいようこう)>武松<(ぶしょう)>は虎を打つ
巻の二十四 王婆<(おうば)> <(かね)>を貪りて風情<(うわさ)><(すす)>
鄆哥<(うんか)> 忿<(おさま)>らずして茶肆<(ちゃみせ)><(さわ)>がす
巻の二十五 王婆 <(はかりごと)>もて西門慶を<(そその)>かし
淫婦 薬もて武大郎<(ぶたいろう)><(ころ)>
巻の二十六 鄆哥 大いに授官庁を<(さわ)>がし
武松 闘いて西門慶を殺す
巻の二十七 母夜叉<(ぼやしゃ)> 孟州道にて人肉を売り
武都頭<(ぶととう)> 十字<()>にて張青に<()>
巻の二十八 武松<(ぶしょう)> 威もて安平寨を鎮め
施恩<(しおん)> 義によりて快活林を奪う
巻の二十九 施恩 重ねて孟州道に覇をとなえ
武松 酔って蒋門神<(しょうもんしん)>を打つ
巻の三十 施恩 三たび死囚の牢に入り
武松 大いに飛雲浦<(ひうんぼ)><(さわ)>がす
巻の三十一 張都監 血は鴛鴦楼<(えんおうろう)><(そそ)>
武行者 <()>るに蜈蚣嶺<(ごこうれい)>に走る
巻の三十二 武行者 酔って孔亮<(こうりょう)>を打ち
錦毛虎 義もて宋江を<(ゆる)>

忠義水滸伝 第四冊
宋江が酒の勢いで酒楼潯陽楼の白壁に書きつけた詩が、こともあろうに、知事にへつらう嫌われ者の黄文炳に見つかってしまう。謀叛の志を読み取られた宋江は、処刑されることになるが、危機一髪、梁山泊の面々と弟分の乱暴者黒旋風李逵が刑場になだれこむ。
巻の三十三 宋江 夜に小鰲山<(しょうごうざん)><()>
花栄 大いに清風寨を<(さわ)>がす
巻の三十四 鎮三山 大いに青州道を<(さわ)>がし
霹靂火<(へきれきか)> 夜るに瓦礫<(がれき)>の場を走る
巻の三十五 石将軍<(せきしょうぐん)> 村の店に<(ふみ)><(とど)>
小李広<(しょうりこう)> 梁山に<(がん)>を射る
巻の三十六 梁山泊にて呉用は戴宗<(たいそう)>を挙げ
掲陽嶺<(けいようれい)>にて宋江は李俊に逢う
巻の三十七 没遮攔<(ぼつしゃらん)> 及時雨<(きゅうじう)>を追い<()>
船火児 夜るに潯陽江<(じんようこう)><(さわ)>がす
巻の三十八 及時雨は神行太保<(しんこうたいほう)>に会い
黒旋風<(こくせんぷう)>浪裏白跳<(ろうりはくちょう)>と闘う
巻の三十九 潯陽楼<(じんようろう)>に宋江は反詩<(はんし)>を吟じ
梁山泊に戴宗は仮信<(かしん)>を伝う
巻の四十 梁山泊の好漢 <(しおき)>場を<(あら)>
白竜廟に英雄は<(はじ)>めて義に<(つど)>
巻の四十一 宋江は無為軍<(むいぐん)>を智もて取り
張順は黄文炳<(こうぶんぺい)>活捉<(いけどり)>にす
巻の四十二 還道村<(かんどうそん)>に三巻の天書を受け
宋公明 九天玄女<(きゅうてんげんじょ)><()>

忠義水滸伝 第五冊
暴れん坊李逵は相変わらず凄まじい。自分の名を騙るにせ李逵をやっつけ、人食い虎四匹もあっという間にかたづける。今回のクライマックスは、宋江率いる梁山泊軍と祝一家との対決。「祝氏の三傑」――祝竜・祝虎・祝彪の三兄弟とその指南番欒廷玉は大変な凄腕。
巻の四十三 仮李逵<(にせりき)> 剪径<(おいはぎ)>して<(ひとり)>の人を<(おびや)>かし
黒旋風 沂嶺<(きれい)>に四ひきの虎を殺す
巻の四十四 錦豹子<(きんぴょうし)> 小径<(しょうけい)>にて戴宗に逢い
病関索<(びょうかんさく)> 長街<(ちょうがい)>にて石秀<(せきしゅう)><()>
巻の四十五 楊雄 酔って潘巧雲<(はんこううん)>を罵り
石秀 智もて裴如海<(はいにょかい)>を殺す
巻の四十六 病関索 大いに翠屏山を<(さわ)>がし
命三<(はんめいさん)> 火もて祝家店<(しゅっかてん)>を焼く
巻の<四十七/b> 撲天G<(ぼくてんちょう)> <(ふた)>たび生死の書を<(したた)>
宋公明 一たび祝家荘<(しゅっかそう)>を打つ
巻の四十八 一丈青<(いちじょうせい)> <(ひとり)>して王矮虎<(おうわいこ)><(とら)>
宋公明 <(ふた)>たび祝家荘を打つ
巻の四十九 解珍<(かいちん)>解宝<(かいほう)> <(ふたり)>して獄を<()>
孫立孫新 大いに牢を<(やぶ)>
巻の五十 呉学究 <(ふた)>たび連環の<(はかりごと)>を用い
宋公明 三たび祝家荘を打つ

忠義水滸伝 第六冊
高廉とその秘書官殷天錫は、高大将の威勢をかさに着てしたい放題。柴進のおじ柴七品はいじめ殺され、柴進も囚われの身に。梁山泊から援軍が向かうが、高廉の魔法とその配下の飛天神兵三百に散々な目にあう。彼の魔法を破れるのは、かの入雲竜公孫勝しかいない。
巻の五十一 挿翅虎<(そうしこ)> <(かせ)>もて白秀英を打ち
美髯公<(びぜんこう)> 誤って小衙内<(しょうがない)>を失う
巻の五十二 李逵 殷天錫<(いんてんしゃく)>を打ち<(ころ)>
柴進 高唐州に失陥<(おとしい)>れらる
巻の五十三 戴宗 智もて公孫勝を<(むか)>
李逵 <(まさかり)>もて羅真人<(らしんじん)><()>
巻の五十四 入雲竜 <(じゅつ)>を闘わして高廉を破り
黒旋風 穴を探りて柴進を救う
巻の五十五 高大尉 大いに三路<(さんろ)>の兵を興し
呼延灼<(こえんしゃく)> 連環の馬を<(ひろ)><()>
巻の五十六 呉用 時遷をして<(よろい)>を盗ましめ
湯隆 徐寧を<(あざ)>むいて山に上らしむ
巻の五十七 徐寧 鉤鎌槍<(かたかまやり)>を使うを教え
宋江 大いに連環馬を破る
巻の五十八 三山 義に<(あつ)>まって青州を打ち
衆虎<(しゅうこ)> 心を同じゅうして水泊に帰す
巻の五十九 呉用 金鈴の吊掛<(つりかざりさわ)><(あざ)>むきとり
宋江 西岳<(せいがく)>華山<(かざん)><(さわ)>がす
巻の六十 公孫勝 芒碭山<(ぼうとうざん)>にて魔を<(くだ)>
晁天王 曾頭市<(そうとうし)>にて<()><(あた)>

忠義水滸伝 第七冊
梁山泊の一同、あの手この手と思案をこらして、棒をとっては天下無双の廬俊義を仲間に入れることに成功。次のターゲットは、蔡京の派遣した梁山泊平定軍の大将、人呼んで大刀関勝、あの三国志の英雄関羽直系の子孫である。一〇八人勢揃いに、あと一歩。
巻の六十一 呉用 智もて玉麒麟<(ぎょっきりん)><(あざむ)>
張順 夜る金沙渡<(きんさと)><(さわ)>がす
巻の六十二 冷箭<(かくれや)>を放って燕青 <(あるじ)>を救い
法場<(しおきば)><(おび)>やかして石秀 楼より跳ぶ
巻の六十三 宋江 兵もて北京城<(ほっけいじょう)>を打ち
関勝 梁山泊を取らんことを議す
巻の六十四 呼延灼<(こえんしゃく)> 月夜に関勝を<(あざむ)>
宋公明 雪の<()>に索超を<(いけどる)>
巻の六十五 托塔天王<(たくとうてんおう)> 夢の中に<(ふしぎ)><(あらわ)>
浪裏白跳<(ろうりはくちょう)> 水の上に<(うらみ)><(はら)>
巻の六十六 時遷 火もて翠雲楼<(すいうんろう)>を焼き
呉用 智もて大名府<(だいめいふ)>を取る
巻の六十七 宋江 馬歩<(ばほ)>三軍を賞し
関勝 水火<(すいか)>二将を降す
巻の六十八 宋公明 曾頭市<(そうとうし)>を夜打ちし
廬俊義 史文恭<(しぶんきょう)>活捉<(いけどり)>にす
巻の六十九 東平府に誤って九紋竜<(くもんりゅう)><(とらわ)>
宋公明 義もて双槍将<(そうそうしょう)><(ゆる)>
巻の七十 没羽箭<(ぼつうせん)> 石を飛ばして英雄を打ち
宋公明 <(かて)>を棄てて壮士を<(いけどり)>にす
巻の七十一 忠義堂に石碣<(せっけつ)> 天の<(もじ)>を受け
梁山泊に英雄 <(せき)><(じゅん)><(さだ)>

忠義水滸伝 第八冊
梁山泊征伐軍の散々な負けっぷりに、いよいよ高大将が自ら出馬。率いるは近衛師団の精鋭1万5千を筆頭に、しめて13万の大軍、従軍の慰みに歌舞団まで引き連れての堂々の出陣である。迎え撃つ宋江は内心穏やかならず、しかし豪傑たちは少しもあわてず…。
巻の七十二 柴進 花を<(かんざし)>として禁院<(ごしょ)>に入り
李逵 元夜<(しょうがつじゅうごや)>東京<(とうけい)><(さわ)>がす
巻の七十三 黒旋風は<(いつわ)>って<(ばけもの)>を捉え
梁山泊に<(ふた)>つながら<(こうべ)><(ささ)>
巻の七十四 燕青 智もてフ天柱<(けいてんちゅう)><(まか)>
李逵 寿張にて<(いつわ)>って<(やくしょ)>に坐る
巻の七十五 活閻羅<(かつえんら)> 船を<(くつがえ)>して御酒を<(ぬす)>
黒旋風 詔を<(ひきさ)>いて徽宗<(きそう)><(そし)>
巻の七十六 呉加亮 四斗五方<(しとごほう)>の旗を<()>
宋公明 九宮八卦<(きゅうきゅうはっか)>の陣を<(なら)>
巻の七十七 梁山泊 十面に埋伏<(まいふく)>
宋公明 <(ふた)>たび童貫に<()>
巻の七十八 十節度 梁山泊を取らんことを議し
宋公明 一たび高大尉を<(やぶ)>
巻の七十九 劉唐 火を放ちて戦船<(いくさぶね)>を焼き
宋江 <(ふた)>たび高大尉を<(やぶ)>
巻の八十 張順 <(のみ)>もて海鰍船<(かいしゅうせん)>を漏らし
宋江 三たび高大尉を<(やぶ)>
巻の八十一 燕青 月夜に道君<(どうくん)><()>
戴宗 計を定めて蕭譲<(しょうじょう)><(あざむ)>きとる
巻の八十二 梁山泊 金を分かちて大いに市を<(ひら)>
宋公明 全ての<(なかま)>にて招安を受く

忠義水滸伝 第九冊
宋江らは梁山泊の城壁や建物をとり壊し、いよいよ、北方の大敵、遼国の征討へと出発する。最初の敵は檀州城。迎え撃つ敵将の先鋒は阿里奇、顔は白く唇赤く、鬚は黄色く眼は碧く、身の丈九尺で力は万人力…。宋朝の官軍となった梁山泊軍団の奮戦が始まる。
巻の八十三 宋公明 詔を奉じて大遼<(だいりょう)>を破り
陳橋駅に涙を滴らせて小卒<(しょうそつ)>を斬る
巻の八十四 宋公明 兵もて薊州城<(けいしゅうじょう)>を打ち
廬俊義 大いに玉田県<(ぎょくでんけん)>に戦う
巻の八十五 宋公明 夜る益津関<(えきしんかん)>を渡り
呉学究 智もて文安県を取る
巻の八十六 宋公明 大いに独鹿山<(どくろくざん)>に戦い
廬俊義 兵は青石谷<(せいせきこく)>に陥る
巻の八十七 宋公明 大いに幽州<(ゆうしゅう)>に戦い
呼延灼<(こえんしゃく)> 力もて<(とつくに)>の将を<(いけどり)>にす
巻の八十八 顔統軍<(がんとうぐん)> 陣は混天<(うちゅう)>の像に<(つら)>
宋公明 夢に玄女<(げんじょ)>の法を授けらる
巻の八十九 宋公明 陣を破って功を成し
宿大尉<(しゅくたいい)> 恩を<(わか)>って詔を降す
巻の九十 五台山に宋江 参禅し
双林渡<(そうりんと)>に燕青 <(がん)>を射る

忠義水滸伝 第十冊
江南の方臘は、宋江ら官軍となった梁山泊軍団にとって最も手ごわい敵であった。義を誓い合った兄弟108人の大半を失う大苦戦の末、ようやく方臘を生け捕りにして都に帰還する。しかし宋江たちを待っていたのは宋朝の廷臣たちの謀略…。(全10冊完結)
巻の九十一 張順 夜る金山寺に<(ひそ)>
宋江 智もて潤州<(じゅんしゅう)>城を取る
巻の九十二 廬俊義 兵を宣州道<(せんしゅうどう)>に分かち
宋公明 大いに毘陵<(ひりょう)>郡に戦う
巻の九十三 混江竜<(こんこうりゅう)>太湖<(たいこ)>に小さく義に<(つど)>
宋公明は蘇州に大きく会垓<(かいせん)>
巻の九十四 寧海軍<(ねいかいぐん)>に宋江 <()>を弔い
湧金門<(ゆうきんもん)>に張順 神に帰す
巻の九十五 張順は魂もて方天定を捉え
宋江は智もて寧海軍を取る
巻の九十六 廬俊義は兵を歙州道<(せっしゅうどう)>に分かち
宋公明は大いに烏竜嶺<(うりゅうれい)>に戦う
巻の九十七 睦州城<(ぼくしゅうじょう)><()>もてケ元覚<(とうげんかく)><()>
烏竜嶺<(うりゅうれい)>に神は宋公明を助く
巻の九十八 廬俊義は大いにc嶺関<(いくれいかん)>に戦い
宋公明は智もて清渓洞<(せいけいどう)>を取る
巻の九十九 魯智深は浙江<(せっこう)><()>ながら<(じょうぶつ)>
宋公明は錦を着て<(ふるさと)><(かえ)>
巻の一百 宋公明は<(たましい)>にて蓼児洼<(りょうじわ)><(あつま)>
徽宗<(きそう)>帝は夢に梁山泊に遊ぶ

★豪傑たちの退場★
90巻から108人の豪傑たちが一人、一人と姿を消していきます。
巻の九十 都に留めおかれた将校四名
 金大堅 皇甫端 蕭譲 楽和
別れを告げ山に帰った将校一名
 公孫勝
巻の九十一 失った将校三名
 宋万 焦挺 陶宗旺
巻の九十二 失った将校五名
 韓滔 彭玘 鄭天寿 曹正 王定六
病気にて丹徒県に預けおかれた将校一名
 楊志
巻の九十三 失った将校三名
 宣賛 施恩 孔亮
巻の九十四 失った将校三名
 郝思文 徐寧 張順
都に呼び返された将校一名
 安道全
巻の九十五 失った将校九名
 董平 張清 周通 雷横 龔旺 索超 ケ飛 劉唐 鮑旭
巻の九十六 失った将校六名
 侯健 段景住 阮小二 孟康 解珍 解宝
病気に患って杭州に一時残留及び看病の将校あわせて八名
 張横 穆弘 孔明 朱貴 楊林 白勝 穆春 朱富
巻の九十七 失った将校六名
 王英 扈三娘 項充 李袞 馬麟 燕順
巻の九十八 失った将校二十四名
 呂方 郭盛 史進 石秀 陳達 楊春 李忠 薛永 欧鵬 張青
 丁得孫 単廷珪 魏定国 李雲 石勇 秦明 郁保四 孫二娘
 鄒淵 杜遷 李立 湯隆 蔡福 阮小五

★そして巻の九十九★
やっとのことで方臘を滅ぼしますが、残った豪傑はわずか。
魯智深は杭州六和寺で智真長老のことばを悟って坐ったまま成仏し、
戦闘で片腕を失った武松は六和寺で出家します。

★そして最終巻★
お話を締めくくる最後の悲劇は涙なくては読めません。


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