始皇帝

伴野朗 著
徳間文庫


 始皇帝についてはいろいろな本などにより私の中に勝手なイメージができあがっています。それは長い間続いた戦乱を収め、度量衡などを統一した英雄という面と、「焚書坑儒」や大規模な工事をやって民を苦しめた暴君という面の二面を持った人物です。そして、耄碌したとも思われる晩年。小説の材料として、彼ほど料理するのがおもしろそうな人物はいないでしょう。
 彼を描いたものは、司馬遷の『史記』をはじめ、司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』、宮城谷昌光さんの『奇貨居くべし』、安能務さんの『始皇帝』など多くのものがあります。それ以外にも、私の知らないものもたくさんあるでしょうから、おもしろそうだけど小説として始皇帝を描くのは大変でしょうね。

 本書の裏表紙には次のような紹介文が載っています。
 本書はごく普通の歴史小説でした。ちょっと物足りないと感じたのは、怪しげな人物を登場させたりして娯楽性を上げようとしていますが、基本的にはベースにした『史記』などの史書の世界と変わらないというところです。もちろん、このような方向を否定するものではありませんが、怪しげな人物だけではなく、例えば、後世あまりイメージの良くない人を英雄として描いたり、その逆とか、もうちょっと創造性を出してくれればいいかなぁと。(なまいき、すいません)
 始皇帝を題材にするのなら、メチャクチャ始皇帝中心に描くのもおもしろそうです。始皇帝の「私小説」みたいな感じで。後世の人々から批判されたり、あるいは評価されたりしていることを彼の立場で書く。う〜ん、私に文才があれば・・・(笑)

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