青龍の門

岡本好古 著
新人物往来社


 7世紀の中国、唐の時代にひとりの烈女が登場しました。その名は武照、というより武則天または則天武后といった方がご存じの方も多いでしょう。彼女は唐の第二代皇帝、太宗(李世民)に見初められて後宮に入り、その後太宗の子高宗(李治)にも見初められ皇后となりました。この高宗というのがちょっと情けない皇帝で、武則天を廃后しようとしたところ失敗して武則天に大権を握られてしまいました。
 結局、武則天は唐の宗室を滅して皇帝(聖神皇帝)と称し国号を周とします。つまり、簒奪です。武則天はいろいろな人を殺したことで知られているほどの烈女でした。そして、彼女の側近が才女として知られる上官婉児でした。武則天と婉児は女上位の政権を作り上げました。
 武則天が没した後も外戚(皇帝の母方)の横暴が続きますが、国中をまとめて混乱を鎮めたのが玄宗(李隆基)です。幼少の頃から聡明で、武則天からもかわいがられていたという人物です。玄宗の治世の前半は開元の治と呼ばれ、名君といわれましたが、晩年は楊貴妃を寵愛して国政を顧みず、安史の乱が起り結局朝廷を傾けてしまった人です。
 玄宗と楊貴妃といえば、白居易(楽天)の書いた「長恨歌(ちょうごんか)」の主役として知られていますので、読む前はそのお話かと思っていました。しかし、楊貴妃が登場するのは最後の方で、前半の武則天を中心としたお話がメインとなっています。

 小説の出来不出来とかには関係ないかもしれませんが、岡本さんの書かれたことばが私にはしっくり来ませんでした。この辺は好みの問題でしょうが私のお薦め度はやや低めとなりました。

 


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