地図を旅する 永遠の都ローマ物語

ジル・シャイエ 著/青柳正規 監訳/野中夏実 訳


 塩野七生さんの超大作『ローマ人の物語』の中に『ROMA URBAS』という地図のことが紹介されていました。この地図はローマ市が出版していて、現代のローマ市街の地図と重ね合わせて古代ローマの地図が書かれているものだそうです。どんなものか見てみたいものだと東京の大手書店などで探してみたのですが見つからず、あきらめていましたが、先日新聞に以下のような本書の広告が出てたのを発見、さっそく読んでみることにしました。

著者のシャイエさんは以下のような人で、先の新聞広告には「9才からの夢を40年かけて再現!」と書かれていました。
 本書は「地図を旅する」という副題のとおり、古代ローマの街を地図を見ながら旅するという趣向です。地図だけでなく写真もたくさん載っていて、一見、古代ローマの観光ガイドブックのようです。
 主人公はフラウィウスというヘラクレイアというローマ属州の青年で、4世紀に密使として皇帝に謁見するためにローマを訪れるという設定です。アッピア街道からローマ市内へ入り、知人宅に滞在しながらローマ各所を巡りながら旅行記を書いています。イラストで街の様子が生き生きと描かれており、その他、地図や写真と合わせて本当にタイムスリップしたような気持ちにさせてくれます。
 以下のような章立てになっていますが、これを見ただけでもローマファンの人にはたまらないでしょう。

第1章 アッピア街道
第2章 ローマ入城
第3章 カラカラ浴場
第4章 アウェンティヌス丘
第5章 エンポリウム
第6章 カピトリヌス丘
第7章 フォルム
第8章 皇帝のフォルム
第9章 キルクス・マクシムス(大競技場)
第10章 コロッセウム(フラウィウス円形闘技場)
第11章 パラティヌス丘
第12章 スブラと貧民街
第13章 ウェラブルム
第14章 テゥベリーナ島とテヴェレ川
第15章 トラステヴィレ
第16章 クイリナリス丘とウィミナリス丘
第17章 エスクイリヌス丘とカエリウス丘
第18章 カンプス・マルティウス
第19章 マルケッルス劇場で
第20章 ローマを去る日

 ちょっと残念だったのは、いかにも「直訳」っぽくて本文の日本語がイマイチだったことです。もちろん、私は原文など読めませんので元がどうなのかはわかりません。比べるのはかわいそうかもしれませんが、塩野七海さんの『ローマ人の物語』のような名文であったら・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか。鳥瞰したような手書きのきれいな地図と手書きイラストの風景画、それと現在の写真などはすばらしいので、それらを眺めているだけでも楽しいのですが、本文は途中から斜め読みしてしまいました。

 

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