新訳ガリア戦記

カエサル,ユリウス【著】〈Caesaris,C.Iulii〉 中倉 玄喜【訳】
PHP研究所


 塩野七生さんの『ローマ人の物語』を読み終わった勢いで読み始めてしまいました。古典の翻訳ものというと、厳密性を求める訳者さんが多いのか、どうも訳文がいまいちという経験があるのですが、本書はその点素直な日本語で読みやすかったです。ただ、必要以上(?)にルビが多く、まるで小学生向けのような感じもします。
 本書を読んで、どうもどこかで読んだような雰囲気がしていました。よくよく考えてみると、『三国志演義』の後半、諸葛亮が南征する部分でした。蛮族を平定しては裏切られ、また平定しては裏切られ・・・、それを繰り返しながら蛮族を教化していく・・・というところが似てくるのでしょうか。

 本書に宣伝文句には以下のように書かれています。
 このうち、第8巻はカエサルの著作ではなく、カエサルに付き添っていた友人のアウルス・ヒルティウスによって著されたものです。カエサルの『ガリア戦記』と『内乱記』との間の空白の2年を埋めるために補ったものと序文に書かれています。

 本書の最初の部分に解説が書かれていますが、その中に「日本語で味わう『ガリア戦記』」という一文があります。
 小林さんほどはまり込まないにしても、確かに面白いです。当時の事情などを多少とも知っていれば、より楽しめるかもしれませんが、そうでなくても本書には丁寧な解説がありますので充分楽しめます。
 ただ、『ローマ人の物語』で読んでいたイメージとは多少違っていました。征服されるガリア人も単なる蛮族というのもかわいそうなのです(日本人の甘さかもしれませんが)。最終的にはパクス・ロマーナ(ローマの平和)を享受するのかもしれませんが、抵抗したからとはいえ、現代風に言えばまさに「大虐殺」があったのです。
 そういう思いで読んでいると、訳者にも同様の思いがあったようで、あとがきにこう書かれていました。

 

戻る