中原の虹

浅田次郎 著
講談社


【第4巻】(2008/1/1 掲載)
 ついに最終巻
 これまでの展開から、野次馬的ではありますが最終巻を読む前に興味を持っていたことは以下の2点です。
 @幼い頃に別れた李兄弟(春雷と春雲)の出会いはどんな風か
 A一世の英雄として描かれている張作霖はその後どうなっていくのか
 @については、しごくあっさりした記述でした。浅田さん得意の独白などを使って大いに盛り上げるのかと思いきや、紹介文に書かれているものと大してかわりませんでした。
 Aについては、私のイメージが「関東軍に謀殺された軍閥の総帥」という感じだったのですが、浅田さんの書きっぷりがちょっとそれと異なっていたので興味津々だったのです。結果は皆さんが読んでからのお楽しみとしておきますが、このあと続編に続くのか「私にはちょっと期待はずれでした」とだけ言っておきましょう。

 それと、私は知らなかったのですが、宋教仁という人物です。ちょっと調べたところ、概ね本書に描かれている通りでしたが、北一輝と親友だったようです。彼は上海で暗殺されるのですが、その時の演説はすばらしいものでした。
 第4巻
【第3巻】(2007/7/14 掲載)
 いよいよ時代が大きく動きます。
 3歳で溥儀(宣統帝)を即位させたのは、西太后の遺志を実現させるためでした。外からは列強諸国が中国を第2のインドにしようと侵攻、内では孫文が率いる革命軍が勃興しています。清朝の重臣たちは、一度は追放に成功した袁世凱を再び呼び戻さざるをえなくなります。袁世凱は清朝末期にあって強大な軍を組織した英雄、李鴻章の後継と見られていましたが、その実行動の速さと鋭い勘だけが取り柄の俗物・小心者に過ぎませんでした。広辞苑にはこう書かれています。

 革命軍が北京に迫り、ついに落城。その一方で東北王となると宣言している張作霖は、清朝の故地である満州の地に実質的な独立国を打ち立てます。満州馬賊の総攬把(大親分)張作霖は革命政府から使者として送り込まれた5人の革命家を暗殺し、中華民国政府に対しケンカを売るのです。「革命は正義だ」という革命家に向かい、
「ほう、革命だと? そんなものァ、俺様の知ったこっちゃねえ」
と言い、銃の引き金を引くのでした。

 最終巻(第4巻)は11月刊行の予定だとか。ちょっと待ち遠しいところです。
 第3巻
【第1巻】【第2巻】(2007/3/4 掲載)
 本作品は最近浅田さんがメインテーマ(?)にされている清末期の時代を描いたもので、以前読んだ『蒼穹の昴』や『珍妃の井戸』とあわせて三部作という感じでしょうか。
 本書の主人公は張作霖<(ちょうさくりん)>で、その子分として『蒼穹の昴』の主人公李春雲の弟李春雷<(リ チュン レイ)>、それに李春雲・西太后・光緒帝など記憶に残っている人々がたくさん登場します。

本書では英雄として登場する張作霖ですが、近代日本史に登場する人なので名前だけは聞いたことがありましたが、ちょっと知識が怪しいので広辞苑を引いてみました。
 連載途中のものはこれまであまり読まないことにしていましたが、このところ本書を含めて3作品を並行して読んでいて、ちょっと混乱気味です。新しい本を読み始める前、前に読んだ本を読み返すこともしばしば・・・(笑)
 以下、帯に書かれた紹介文
 いつも通り、涙を誘い、ハラハラ・ドキドキさせられながらお話はゆっくりと進んでいきます。
 第2巻の最後に、西太后が死ぬまえに春児に話していることばが書かれています。
 第1巻  第2巻

戻る