小説十八史略

陳舜臣 著
講談社文庫(全6巻)


 少し読んでは中断し、また少し読んでは中断し・・・という具合で随分長い時間をかけましたが、やっと読み終えました。全6冊といっても、長いものは600ページにも及ぶという、一冊のボリュームがかなりありますので相当の大作です。
 本書の題名には「小説」とありますので、かなりフィクションが入っているのかと思って読み始めましたが、読んでいてもそんな感じがしませんでした。「文庫版あとがき」には

 この作品のタイトルに、わざわざ「小説」の二文字を加えたのは、じつは架空の人物を投入して、おもしろくしようと考えたからである。だが、『サンデー毎日』に連載をはじめて、私はすぐにその構想を放棄した。
 中国の歴史にはあらゆる意味でチャーミングな人物がひしめき合っており、架空の人物のはいるスキマがないからである。構想は放棄したけれども、「小説」の二字はあえて除かなかった。小説を書く姿勢で、自由に筆をはこびたいとおもったからで、読者にもやはり小説のつもりで読んでいただきたい。
と書かれています。
 これは、まさに私が読みながらいだいていた感想とピッタリと一致するものでした。かなりのボリュームですが、この中には『史記』から始まって『漢書』『三国志』など、中国の史書のおもしろいところをコンパクトに集めたものという感じがします。したがって、途中で中断しても全然構いませんので、「中国大好き」の方にはお薦めの作品と思います。

 ちなみに、『十八史略』とは広辞苑によると
じゅうはっしりゃく【十八史略】
十七史に宋史を加えた十八史を摘録して初学者の読本とした書。元の曾先之<(そうせんし)>撰。元刊本二巻。明の陳殷の音釈本七巻。
とのことです。こちらに合わせて、本書も宋の滅亡で終わっています。

 なにしろ、中国の史書のエッセンスを集めたものですから、内容はおもしろいものが山ほどあります。一々紹介していても夜が明けてしまいますので、題名だけ列記します。題名だけでも内容がピンとくるものもあるのではないでしょうか?

           

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